技術ブログを運営してきた半年間の試行錯誤

技術ブログを運営してきた半年間の試行錯誤
技術ブログを運営してきた半年間の試行錯誤

こんちには、N2i Tech Blog が半年続いていることに感動している編集長の和田です。
いやぁ年末ですね🎄 この N2i Tech Blog は 2023年5月に正式に始動して以来、毎週欠かさず投稿を続けて来ました。 少ないながらも本記事の執筆時点では既に30記事以上を皆で投稿しています。

今回は普段の記事とは趣向を変えて、Tech 系の企業の技術ブログ運営をされている方向けに Tech Blog を継続してきた工夫や反省について述べさせていただきたいと思います。

技術ブログをこれから運営する予定の方にも参考になればと思いますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです🙏

N2i の技術ブログの運営体制

工夫や反省について述べる前に、N2i の技術ブログの運営体制について簡単に紹介させていただきます。

運営メンバーについて

まず、運営としてコアメンバーとして動いているのは和田(筆者)と岡部の2名で記事の管理や N2i Tech Blog の運営方針などを決めています。両者とも普段はエンジニアとして作業しており、業務の合間の時間で当ブログの運営を行っています。

執筆メンバーについて

執筆者は運営メンバーはもちろん社内のエンジニア全員(PMやEMも含む)を対象としており、各人に決められたノルマなどは設けておらず自由に投稿していただいています!

執筆していただいた記事は専門領域の開発メンバーと我々、運営メンバーが校閲し、記事を公開するような流れです。

技術ブログ運営の目的

N2i Tech Blog のチームとしての目標は「エンジニアが自発的に技術発信をする文化を作ること」です。

学んだことを自分からアウトプットして各々が切磋琢磨しているチームは素敵ですよね。N2i をそんな組織にしたくて技術ブログを運営しています。

ここまでが N2i Tech Blog の運営体制・目的の簡単な説明です。次に半年ほど毎週投稿を行うに当たって工夫したことについて説明させていただきます。


技術ブログの運営に当たって工夫したこと

技術ブログの運営に当たって工夫したこと
技術ブログの運営に当たって工夫したこと

People illustrations by Storyset

様々な方々に支えられながら継続できている N2i Tech Blog ですが、継続のために色々と工夫をして参りました。 その中で特に継続の工夫として効果があったと感じることを3つ紹介させていただきます。

1. 投稿の目標宣言をする

幸いなことに毎週の事業部全体ミーティングの中で当ブログの活動を発表するための時間を設けていただいています。 その中で「毎週1記事必ず投稿する」ということを口酸っぱく言い続けてきました。

宣言し続けたがゆえに逃げ道のない状況となり、筆者自身の編集長としての責任も相まって本当に毎週1記事投稿できています。 非常に単純なことではありますが、発足以来この指針をぶらさず徹底してきたのは我々 N2i Tech Blog チームの誇りです👍

工夫というより精神論的なものかもしれませんが、個人的に最も継続のために効果があった行動だと思っています。

2. 頑張り過ぎない低燃費スタイル

「毎週1記事必ず投稿する」の裏返しでもあるのですが「週1記事以上は投稿しない」ということも大切にしてきました。 たくさんの方が執筆してくれた週は嬉しくなって投稿を早まる気持ちもありました。しかし、すぐに投稿はせずに現状のペースを保つことを心がけました。

週1記事すなわち毎月4記事の投稿が目標となるため、その分達成のためのハードルも低くなって無理なく継続できたと思います。 ちょっとした時間に一気に2記事も書いてしまえば、後は書いてくれそうな人を二人くらい見つければ目標達成といった具合です。

あえて目標を小さく設定したのは方針として良かったと感じています。

3. 記事のジャンルにこだわらない

N2i Tech Blog の記事を見ていただくと分かるように、サンプルコードが記載されたいかにも技術ブログらしい記事から社員へのインタビュー・書籍の紹介記事など、さまざまな記事を投稿してきました。

techlog.n2i.jp

techlog.n2i.jp

techlog.n2i.jp

技術ブログとして運営する以上は、技術に関する専門的な内容を主軸として投稿をしたいのが正直なところではあります。しかしながら、ブログ運営の初期の指針としてはジャンルよりも継続と量が大切であると考えたため、あまり制限を設けずに投稿してきました。

技術に関連している・業務に関連した学びがあるという条件に少しでも当てはまっていれば投稿してきたのは良い選択だったと思っています。


ここまでが運営にあたって工夫してきたことです。特別な仕組みやシステムを設けているわけではありません😅
一方で運営を継続するにあたってあまり効果を感じられなかった施策もあります。当ブログの運営にあたって失敗したと思われる施策についても紹介させていただきます。


技術ブログの運営で効果のなかった施策

技術ブログの運営で効果のなかった施策
技術ブログの運営で効果のなかった施策

Sport illustrations by Storyset

  • 記事ネタがない
  • 書き手が見つからない

これら2点はどこの企業ブログでも抱える問題ではないでしょうか?
N2i Tech Blog でも同じ問題を未だに抱えているわけです...
それらを打開するために試行錯誤したもののあまり効果の感じられなかった施策を3つほど紹介させていただきます。

1. 記事のテンプレートを用意するも使う人がいない

開発メンバーのほとんどが技術記事の執筆経験がなく、最初の記事を書くハードルが高い状況でした。
そこで下記のような記事の骨組みとなるようなテンプレートを設け、できる限り楽に記事が書けるような環境を整えることを考えました。

<!-- 
記事のタイトル例
- 「新しいエディター〇〇を試してみました」
- 「なぜ Mac で開発するのか?」
- 「最近流行りの〇〇ターミナル使ってみた件」
-->


## 背景・目的

<!-- 記事の目的や背景を説明し、読者に対して何が提供されるかを明確にする。 -->

### 対象読者

<!-- 記事の対象となる読者層や必要な事前知識を明示する。 -->

### 開発ツール・環境の概要

<!-- 関連する開発ツールや環境の主要な機能や特徴を紹介。 -->

### 主な機能と特徴

<!-- 関連するプログラミング言語やフレームワークの主要な機能や特徴を紹介。 -->

### インストールと環境設定:

<!-- 開発ツールや環境のインストール方法と環境設定手順について説明。 -->

---

## 実践内容

<!-- サンプルコードや実践例を用いて、プログラミング言語やフレームワークの使用方法を紹介。 -->


### 自分の意見・ベストプラクティス

<!-- 実践内容を通じて思ったことや意見。効率的で安全な開発のためのベストプラクティスや推奨されるコーディングスタイルを紹介。同じ目的を持つ代替ツールとの比較を行い、選定したツールのメリットやデメリットを説明。 -->

---

## まとめ

<!-- 記事の内容を要約し、読者が得た知識をどのように活用できるかを強調。 -->


### コミュニティ・リソース・参考文献

<!-- 関連するドキュメント、チュートリアル、ブログ、フォーラム、コミュニティなど、さらなる情報を得るためのリソースを紹介。 -->

毎週の定例ミーティングの中で上記のテンプレについて周知するものの執筆者が増えるわけでもなく、執筆してくれた方はテンプレを使わずに書いてくださったので効果が感じられなかったです😅

自主的に書ける人はスラスラと筆が進むし、そうでない人は別のところに障壁がありそうです。

今は書き方以前に「何を書くか?」に困っているのでは?というところに着目し、「私の作業環境シリーズ」などといった誰でも書きやすいようなテーマを設けて検証しています。

2. 記事の代筆アピールも効果なし...

開発チームのメンバーは各々がタスクに取り組んでいるため、単純に記事を書く時間がないというのが現実です。 当然、ブログの運営メンバーもエンジニアとしてタスクに取り組んでいるため、業務に支障のない範囲で活動をしています。

開発チームが執筆してくれるメンバーのタスク量をコントロールすることは難しいので

「普段の業務中の学びや作業メモを箇条書きにしたものを投げてくれればこちらで記事にしますよ〜」

...などとアピールしましたが、特に効果は得られませんでした。


この記事の執筆時点では「N2i Tech Blog に記事を投稿して何が得られるか?」という書き手側のメリットを示せていないため、執筆するメンバーが記事を書きたくなるような仕組みづくりが必要なのかもしれません。

3. 月に4記事という頑張ったら一人でもなんとかなる目標設定

冒頭でもお話した通り、週に1記事つまりは月に4記事程度書くことを当ブログの目標にしています。
この施策自体は失敗とは思っていませんが裏目に出たことがあります。

それは投稿するメンバーが固定化されてしまうということです。

正直なところ月に4記事だったら一人でもなんとか書けてしまうため、数名のメンバーが執筆してくれれば目標を達成するのは難しくありません。結果として誰かが書かなくても目標が達成されるという状況が生まれてしまい、メンバーが固定化されるという事態に陥りました。

「エンジニアが自発的に技術発信をする文化を作ること」が目標なので、可能なかぎりいろんな人に記事を書いてもらいたいと思っています。しかしながらメンバーが固定化されているのは、目的から遠ざかっているようで悲しいですね🥲


まとめ

最後まで読んでくださりありがとうございました🙏

効果の感じられなかった施策に対する代替案は今のところありませんが、このままのペースで記事数を増やしていこうというのが今の方針です。

この記事がこれから技術ブログを運営する方や技術ブログを運営されたばかりの方の参考になることを願っています。

この記事を読んで「エンジニアが自発的に技術発信をする文化を作ること」を実現するためのアイデアが思いついた方はぜひ N2i Tech Blog チームにご連絡ください🙏